和田誠 追悼展
初めて原画をみた。
今まで和田誠の絵は何か物足りなさを感じていたんだけど、この展示を見てやっと凄さが理解できた気がする。
やっぱり原画を見ないとわからないもんだなぁとつくづく思った。
サラッと描いたように見えてたんだけど原画を見るととっても、とっても繊細で丁寧。
色のバランス、その面の割合・・面もベタで一色じゃなかった・・。そして何て言うか空間の使い方、配置・・
そして何よりあたたかい。
そうだ、和田誠はグラフィックデザイナーでもあったんだ!
ギャラリーに置いてあった「ユリイカ」という雑誌の特集が追悼 和田誠特集だった。
いろんな著名人が和田誠について書いている。
デザイナーがイラストレーターを選ぶように、イラストレーターがデザイナーを選べるといいですね。あの人なら自分の絵を生かしてくれる、という逆指名制度があるといい。・・・それも可能じゃないかと思うんです
和田誠が言った言葉としてイラストレーター 伊野孝行氏の投稿文より。
私の描いた「男はつらいよ」の絵を、ぜひ横尾忠則に「帰ってきた寅さん2」としてのデザインしてもらいたい。
山田監督ー!呉々もクレジット忘れずにー
(和田誠 追悼展HBギャラリーにて 1/15(水)まで)
佐々木悟郎 展
ギャラリーに入ると目の前にいきなり佐々木悟郎ご本人が!
まさか在廊されているとは思わなかった・・
ギャラリーハウスMAYAの空間だから決して広くないし。急に緊張しました。
ずいぶん昔、本屋で「水彩」という雑誌を買って、そこに佐々木吾郎の描くマグカップとそこに映る影の描き方が載っていて挑戦したことがある。
これがなかなか簡単そうで難しい。
出来上がりを見て、あまりの落差に愕然として、水彩ムリ!って泣きたくなった記憶がある。
今思えば、そりゃーいきなり佐々木吾郎と同じわけにはいかないでしょ、と思うんだけど。
佐々木悟郎「あなたは何をやってる人?」
私「あ、絵を勉強しています・・」
佐々木悟郎「このフリーペーパーに色のことについて書いてあるから読んでみて」
と言われ、新聞のような大きなフリーペーパーをいただいた。
めっちゃ緊張したー
全面に佐々木吾郎さん(←急にさんづけ)の絵が描かれていて圧巻のフリーペーパー。
「色のはなし」 (最後の部分のみ抜粋) 好き、嫌いという感情は概して曖昧なものだと思う。つまり以前嫌いだったものが、ある時好きになる経験は誰しもあるだろう。何がきっかけで好みが180度変わるか知れたものでは無い。もう一度プルシャンブルーと向き合おうではないか。
この文章の前にはこのような内容でした。簡単にまとめました。
昔からブルーの中でもプルシャンブルーが好きになれなかった。あるとき浮世絵の広重を眺めていたら空や海にプルシャンブルーらしき色が実に深みのある青として効果的に使われている。苦手などとうそぶく自分が小さく見えた・・
こういう実績がものすごくある方で、先生もされている方でもなんか凝り固まってないというか、柔軟というか・・素敵だなーって思って。とても面白い記事でした。
和田誠と佐々木吾郎ともに共通するとこ、
絵がすっごく丁寧!
原画のパワーは単に技術的なことだけじゃなく、作家の思い、エネルギーが絵から滲み出てくる。思いの強い絵は特にそれが見る側にも伝わる。
描いてる時の気持ちが伝わってくるってゆうのかなー。そこが面白くて。
以前、こんな風に描いたらいい感じに見えるんじゃないかって気をてらった絵を描いた時があって・・。それってすぐ人に伝わるのね。他人から指摘された事があって、もうほんとにその場から消えたくなったし、妙に恥ずかしい。
絵って怖いのよ。
ま、でもそんな経験は全然無駄ではなかったんだけど。むしろ指摘されてよかったって思う。
和田誠の絵も佐々木悟郎の絵もそれぞれのストレートで遊び心があって、描いてる時の気持ち、いい緊張感も伝わってきて、ほんとにいいエネルギーを浴びた1日でした。
(ギャラリーハウスMAYAで1/25(土)まで)