羅生門

「今日から俺は」

家族が観たいと言うので、あまり気が乗らない映画を観た。

賀来賢人、伊藤健太郎 主演。

漫画で流行ってドラマもやったらしい。小中高生に人気みたいです。

今の子には80年代に流行ったものが新鮮に感じるんだろう。

嶋大輔とか、なめんなよ猫とか、学ランとか、女子のロングスカートとか、聖子ちゃんカットとか。

聖子ちゃんカットはいいにして、あとのは流行らないでほしい・・笑

観ていて複雑な思いでした。

「マッポって警察のことなんでしょ?」

「そう・・・」

そんなこと覚えないでほしい・・・

終戦記念日

朝日新聞の見出しも終戦だった。

児童文学作家、あまんきみこの記事が目にとまった。

この方の本が好きで。

1931年生まれ。89才。

最後の一部分記事紹介

幼い子に戦争を伝えるって難しい。まず人生の祝祭を味わってほしいもの。でも、大連で過ごした幼い私の喜びや悲しみを知って「こんな子もいたんだなあ」と、ひとしずくでもそう思ってくれる子がいたら、これほどうれしいことはありません。ドキドキしながら、祈っています。

戦争の根本は「相手に殺される前に殺す」ということ。戦争だけはやめてね。若い方、どうか頑張って。私の遺言です。

この文章は一部分ですが、あまんきみこさんの優しい文章の中にも辛かった出来事が端々に伝わってくる。戦争の体験が忘れたくても忘れられない記憶として残っていてその後の作家活動にも戦争について作品にせざるをえなかった。と。

平和ボケの時代に生きている私には当然戦争のことはわからない。わからないけど考えてみることが大切なんじゃないかと思います。

体験した人の記事を読んだり、画像や資料を見たり、本を読んだりして想像する。

想像することが大事だと。

きっと想像をはるかに超える苦しみ悲しみということも含めて考える、イメージすることが大切だと私は思います。

羅生門

またまたアマプラで視聴しました。

1950年の作品。

監督、黒澤明。

三船敏郎、京マチ子、森雅之、志村喬

人間が醜い。

醜さの嫌悪感どころか、その醜さに共感してしまった。

きっとこの映画が世界中で称賛されているのは誰にでも自分の中にあるものだからなんだろうと。

私が描いていた原作小説のイメージとぴったりな重厚な門。そしてその荒み具合がまさにこの作品の人間の心を表しているようにも見える。

女も恐ろしい。

その恐ろしい部分の気持ちもわかってしまう自分も怖い。

女役は京マチ子。

京マチ子の妖艶ぶりが見どころ。

三船敏郎のがたいのいい荒ぶりな盗賊役が、汗や匂いをプンプン感じ、その場の温度まで感じさせる生々しさ。

その湿った体で涼しい顔の京マチ子を抱き寄せる場面は思わずうわって言ってしまいそうだった。

その場面で女(京マチ子)ときたら・・え!そうなるの??・・・です。

女は怖い。

盗賊(三船敏郎)が素直でいい人に見えるくらいに。

結局自尊心を守るため。

誰が本当の事を言っているのか。

人間の本質を描いた作品。

やっぱり女は恐ろしい。