バリー・リンドン

今回の展示でバリー・リンドンを描いている、すが ゆりさんの作品です。
ライアン・オニール似てる!

9/8日(火)〜13日(日)までキューブリック監督作品展

(キューブリック作品紹介)

1975年公開。

この作品を見終わった後、思い出したのが「白い巨塔」。

え??って思われる人もいるかもですが・・

貪欲な出世欲。八方美人。チャンスを逃さない嗅覚。

しかし最後は虚しくも…

そう、全ては自分が撒いた種。

やっぱり人の怨みを買うようなやり方はいつか自分に返ってくる。

そんなことを思った。

前半と後半があり、なぜ出世に貪欲になったのかが前半がカギ。

出会った女が悪かった。

貪欲なバリー役を演じたのがライアン・オニール

「ある愛の詩」のオリバー役も。

淡々と一人称で語るナレーションもよかった。

とても面白い作品で、3時間の長尺だけど最初から飽きることなく観れた作品でした。

しかしあの時代の人たちは喧嘩となるとすぐに決闘を申し込む。

決闘は第三者立ち合いのもと行われることが多かったらしい。互いに数十歩背を向けて歩いてから振り向き合図で撃ち合う。動作の早いものが勝者となるとwikiに。

話の中では、背を向けて歩くというルールが無かったから、最初に撃つ人が当然有利なわけで。その辺りがよくわからなかった。

しかしあの時代の人々はもっと中間の解決策はなかったのか。生きるか死ぬか。命がいくつあっても足りない。

そういえば侍映画でも決闘シーンがよくある。

命よりもプライド優先。

映画評論家 町山智浩氏によると

スタンリー・キューブリック監督『バリー・リンドン』(75年)。18世紀、英国の植民地だったアイルランドで貧しい青年バリーが英国貴族にのし上がっていく3時間の大作。かの蓮實重彦先生はこの映画を「『嗚呼、花の応援団』と比較すべき荒唐無稽なコメディ。観ている間、正確に37回笑った」と評した。その意味は、避けずに弾丸を受けて行く横列行進、映画の最後の字幕、幻の企画『ナポレオン』に隠されている!

「映画その他ムダ話」より

言われてみれば確かに。

しかし私は笑ったシーンなど全くなかった。

避けずに弾丸を受けまくる横列行進は、え!なぜ??なぜ攻撃しないのか・・謎で頭がいっぱいになった。

そりゃ撃たれるでしょ!ほんとに謎だった。でも笑いはしなかった。

横列行進はナポレオンの歴史に関係あると推測。

ちょっと調べたら・・

横隊は、歩兵を横に数列に並べる戦闘隊形であり、広い正面への攻撃力を最大化できる性質を有する。歴史を通して最も標準的に用いられてきた隊形でもある。

横隊wikiより

↑ だとしてもね。映画のシーンは鼓笛隊もいた。実際ナポレオンは士気を高めるために鼓笛隊も列に入れていたのか??それ以上はよくわからない。

しかしこの作品のどこに笑いがあったのか・・町山氏の先生と言われた方に聞いてみたい。きっと話盛ったな。笑

映像がきれい

キューブリック作品はまだ4作品ほどしか観てないけど、どれも映像がきれいだという印象がある。

この作品、wikipediaにアカデミー賞の撮影賞、歌曲賞、美術賞、衣装デザイン賞を受賞したと書かれていた。

うん納得。衣装の素晴らしさ、重厚な音楽、ほんとに素晴らしかった。

アカデミー賞を受賞するなど評価は高かったものの興行的には苦戦し、制作費回収には年月を要した。著名な原作とスターを起用した娯楽作品による興行的な成功を目指したキューブリックが次の作品として選んだのが、スティーヴン・キングの「シャイニング」である。

いい作品がいい興行につながるとは限らないらしい。

そしてwikiのとおりなら次は興行を意識した?ジャック・ニコルソンの「シャイニング」。

これは制作費の数倍の収益で大きな成功と記されてあった。同時にキューブリックの知名度も高めたと。

興行的に成功を目指してちゃんとその通りになるキューブリックの商売センスもなかなかなものだなぁと感じました。

物語のバリーがチラリと思い浮かんだ。