空気の悪い幹線道路の近くに住んでいても早朝はちゃんと秋の匂いがする。
稲の収穫を終えた田んぼの匂いのような、山の匂いのようなそんな香りがして田舎を思い出して恋しくなる。
そんな空気を感じながら早朝、断捨離でまとめたゴミをせっせと持っていく。
過去に描いた絵、ずっと処分できなかったぬいぐるみ、服をたんまり捨てた。
いかに長い間思い出というものに取り憑かれていたか。
捨てる箱に分類しておいた絵を見て家族が「せっかく描いたものなのに…とっておいたら?」と言った。
ある日突然自分がいなくなったとして・・・
何かのきっかけで家族が私の描いた過去の絵を引っ張り出して「これ、お母さんが描いた絵です」って、そんな状況はないと思うけど、万一誰かに披露する事があったとしたらとても成仏できない。
何があるかわからないから今のうちにいらないものはどんどん捨てた方が自分のため、家族のためなのです。
しかし過去に描いた絵を見るのは本当に恥ずかしい。
痛々しい絵もけっこうある。少し変わったものを描いて目立ちたいと思ったんだろう。
今見ても好きな絵もある。(保存決定)
処分する物のひとつひとつの物語を思い出しながら、(こんまり流に)ありがとうと感謝してゴミ袋に入れる。
ぬいぐるみはきつかった。
秋の風がせつない。
ありがとう、あの頃!