お米とおっぱい

百均グッズ

先日100均で買い物していたら、5歳くらいの子どもを連れたお母さんと子どもの会話。

「ママこれなに?」

「これは床が傷つかないように椅子の足につけるカバー・・」

「ママこれなに?」

「これは荷物を運ぶときに壊れないように包む空気の入ったビニール・・」

「ママこれなに?」

「なになにっていちいち聞くな!見りゃわかるだろ!」

突然お母さんがブチ切れた。

子どもの終わりのない質問攻めにイラッとしてしまうお母さんの気持ちもわかる。

わかるけど。

今の時期だけだからグッと堪えて教えてあげて、と心で呟く。

ちなみに子どもが知りたがっていたものは「S字フック」

わからないね・・

めげずに限りない疑問と探究心を持ち続けて未来を作ってほしい・・と祈るばかり。

お米とおっぱい

2011年公開。監督は「カメラを止めるな」の上田慎一郎。

映画の紹介文

全員一致の決がでるまで話し合うこと。「”お米とおっぱい”この世からどちらかが無くなるとしたら、あなたはどちらを残しますか?」史上最もくだらない議論が幕を開ける

ほんとにくだらなかった・・

お米は日本の心・・いや、おっぱいで育たないとダメ・・例えば、溺れているお米を救うか、おっぱいを救うか・・

溺れてるって何??

人間の3大欲求、食欲、性欲、睡眠欲の中の食欲と性欲を作品にしてるのか??と思ったが、そうでもない。

くだらない議論からものすごい発見に至る、そんな展開を予想したが。

そうでもない。

最後は、夕日はなぜ赤いのか、って・・・議論が変わってる!

上田作品のファンは、このナンセンスと思われる議論、想像つかないような展開と議論がツボにハマるのかもしれない。

私にはちょっとよくわからない作品でした。

百均でS字フックを見た子どもの疑問と同じです。

「これなに?」

「見りゃわかるだろ!」

見てもわからない・・

人間 

又吉直樹の小説です。

寒くなった朝、ベランダに出たら紫色の朝顔が咲いていて、最後の力を振り絞って根性で咲いているように見えて朝から感動する。

真夏の花のはずのハイビスカスも東京育ちのせいか今の方が生き生きと咲いていて、そのハイビスカスの花に蜜を求めて蝶なのか蛾なのか見分けがつかないグレーの蝶もどきが花に入って蜜を吸っていて、その邪魔をしないように洗濯物を干す。

足元には天寿を全うしたこがね虫がお腹を向けて転がっていた。

この姿を見て、そういえばMacのマウスはもう充電されたかな、と思い出した。

そのMacのマウス、なぜ裏側充電なんだろうと前から疑問。

そして充電中何もできない。

スマートなコードレスマウスが充電となるとさっきの裏返ったこがね虫のようになる。

非効率な設計といい、スティーブ・ジョブズが見たらどう思うだろう・・

何もできないので又吉直樹の小説「人間」の続きを読むことにした。

この本はなかなか面白い。

この本も面白いという感想でしょうか。

芸人で小説書いてヒットした人物が、ある評論家から本についての批判記事を書かれたことについて何ページにもわたって反論してる箇所があり、これはきっと登場人物と同じ境遇の又吉自身の本音に違いないと思わせる。

溢れ出るように反論が次々と書かれていて、その説得力のある指摘に読んでる方も痛快さを感じる。そんな怒りの反論が思った以上に何ページも続いていて、いつまで反論攻撃するんだろうかとだんだんその執拗さが恐ろしく感じられるところが何とも面白い。

小説の中に出てくる登場人物と芸人そして作家でもある又吉自身の事が重なって、文中のセリフがとてもリアルに感じられて面白いのです。

3ヶ月くらい前からダラダラ読んでるこの小説。

マウス充電のおかげでやっと最後まで読めました。

いい小説た。

黒豆茶ときな粉豆

黒豆茶とお菓子ときな粉豆

寒くなってきた。

そしていよいよ神宮のいちょう並木が色づき始めた。

木の先端のとんがり具合が面白い

銀杏並木の近くにある老舗和菓子屋さんがあってなんとなくふらっと入ってみた。

すると店員さんが「当店の黒豆茶とお菓子です。どうぞ」と言って出してくれた。さすが老舗和菓子屋。丁寧な接客。

でもこんなに丁寧にされても買う気がなかったのでちょっと困った。・・でもせっかくなのでいただいた。

黒豆茶美味しい!

香ばしい風味でクセもなく上品な味。

お茶の中には黒豆が二粒入ってた。

お菓子もどら焼きの皮を若干甘くしたようなお菓子。これもなかなか美味しい。

お茶を飲んだ後、湯飲みの底に黒豆がくっついてなかなか降りてこない。これを食べたいのに・・

もしかして残すものものかな?と思ったりもしたが豆好きとしてはやっぱり何とかして口に入れたい。

しかしあまり体を逸らしてまでしつこく食べるのはみっともない。

家だったら手でちょいちょいっと寄せてしまうけど老舗和菓子屋の店内、場所は青山。しちゃだめでしょ。

しかしどうやっても黒豆おりてこない。

もうこれ以上体をのけぞってしつこく黒豆と格闘するのはみっともない。もう諦めて残したままにしようかと思ったが・・・やっぱりなんとか食べたい。

湯呑を口にして軽く底の部分を鼓を叩くようにポンポンと叩いたところ、湯呑みが人工呼吸器のように鼻にガポッ。

黒豆やっとポロン・・

恥ずかしかった・・・

たった二粒の黒豆を口に入れるだけのためにどれだけ格闘したか。

でも美味しかったです。スッキリ。

そしてちゃんと購入しました黒豆茶とお菓子。

戦略に乗ってしまった・・

同時に購入した、きな粉でコーティングしてある黒豆甘納豆。

うちに帰ってさっそく食べようと上品な箱に納められているきな粉豆をそおっと出してみると、あれ?試食でいただいたきな粉豆と見た目が違う。

食べてみるもきな粉じゃない。シンプルなお砂糖の甘納豆。

パッケージはきな粉と書いてある。

連絡するべきか・・・いや、交換のためにだけにわざわざ青山に行く、もしくは発送するのもめんどくさい。ちょっとモヤモヤする。

ふと思う。老舗和菓子店での袋詰め作業場の様子を。

勝手な妄想だけど、きっと厳しいチェック、衛生管理のもと、手作業で包装の仕事をしている熟練パートさんの単純なミスだろうと。

今までほとんどミスなどなく仕事をし、たまたまあたっただけ。

そう考えるとすごい確率で私の手元に来たのかもしれない。

何かいいことが起こりそう・・

ふと、桂文枝のネタを思い出す。

注文したとんかつに赤い輪ゴムが入っていた。

東京の人 「すぐ取り替えてください!」

大阪の人 「当たりや!」

シンプルなお砂糖の黒豆甘納豆もとても美味しい。

当たりや!

TENET

監督:クリストファー・ノーラン

ジョン・デイビット・ワシントン、ロバート・パディンソン

難解

面白かった。

でもわからん。

でも面白かった。

過去に行ったり、未来だったり。

時間軸がわからなくてついていけない。

どんな映画だったか説明できない。

わからないけど終始飽きずに観たという不思議。

音楽もいい。

なんともいえない諧調。

CGをほとんど使わない実写にこだわった作品だとか。

CGじゃないとすると、巻き戻ししたようなシーンでキャストが後ろ向きで小走りするシーンはちょっと面白いかも。

転ばないように必死で演じる姿が胸を打つ。

とても背が高くて線の細い女優エリザベス・デビッキは高級なえんぴつのよう。

綺麗すぎる。(高級なえんぴつって?)

1画面ごとにテクニックを総入れ替えするということ。様々なテクニックを使うことで観客が映画に飽きにくくなるという長年の経験で学んだことが役に立った。

パンフレットより

そう、ぜんぜん飽きなかった。

帰りの電車で、前に座ってた若い女の子が読んでた本のタイトルをチラッと見た。「駆け出しマネジャーの成長論」。

なんだかかわいい。気になるその本・・・

そして2つとなりに座ってたおじさんが読んでた本「心を休める習慣」。

お疲れなんだな。

同じ空間にいてもそれぞれの時間、空気、温度の差を感じる。

みんな同じ時間じゃない。

そうやって物事を見ると面白い。

しばらくこの映画が頭から離れない。影響が続きそうです・・