
寒くなってきた。
そしていよいよ神宮のいちょう並木が色づき始めた。

銀杏並木の近くにある老舗和菓子屋さんがあってなんとなくふらっと入ってみた。
すると店員さんが「当店の黒豆茶とお菓子です。どうぞ」と言って出してくれた。さすが老舗和菓子屋。丁寧な接客。
でもこんなに丁寧にされても買う気がなかったのでちょっと困った。・・でもせっかくなのでいただいた。
黒豆茶美味しい!
香ばしい風味でクセもなく上品な味。
お茶の中には黒豆が二粒入ってた。
お菓子もどら焼きの皮を若干甘くしたようなお菓子。これもなかなか美味しい。
お茶を飲んだ後、湯飲みの底に黒豆がくっついてなかなか降りてこない。これを食べたいのに・・
もしかして残すものものかな?と思ったりもしたが豆好きとしてはやっぱり何とかして口に入れたい。
しかしあまり体を逸らしてまでしつこく食べるのはみっともない。
家だったら手でちょいちょいっと寄せてしまうけど老舗和菓子屋の店内、場所は青山。しちゃだめでしょ。
しかしどうやっても黒豆おりてこない。
もうこれ以上体をのけぞってしつこく黒豆と格闘するのはみっともない。もう諦めて残したままにしようかと思ったが・・・やっぱりなんとか食べたい。
湯呑を口にして軽く底の部分を鼓を叩くようにポンポンと叩いたところ、湯呑みが人工呼吸器のように鼻にガポッ。
黒豆やっとポロン・・
恥ずかしかった・・・
たった二粒の黒豆を口に入れるだけのためにどれだけ格闘したか。
でも美味しかったです。スッキリ。
そしてちゃんと購入しました黒豆茶とお菓子。
戦略に乗ってしまった・・
同時に購入した、きな粉でコーティングしてある黒豆甘納豆。
うちに帰ってさっそく食べようと上品な箱に納められているきな粉豆をそおっと出してみると、あれ?試食でいただいたきな粉豆と見た目が違う。
食べてみるもきな粉じゃない。シンプルなお砂糖の甘納豆。
パッケージはきな粉と書いてある。
連絡するべきか・・・いや、交換のためにだけにわざわざ青山に行く、もしくは発送するのもめんどくさい。ちょっとモヤモヤする。
ふと思う。老舗和菓子店での袋詰め作業場の様子を。
勝手な妄想だけど、きっと厳しいチェック、衛生管理のもと、手作業で包装の仕事をしている熟練パートさんの単純なミスだろうと。
今までほとんどミスなどなく仕事をし、たまたまあたっただけ。
そう考えるとすごい確率で私の手元に来たのかもしれない。
何かいいことが起こりそう・・
ふと、桂文枝のネタを思い出す。
注文したとんかつに赤い輪ゴムが入っていた。
東京の人 「すぐ取り替えてください!」
大阪の人 「当たりや!」
シンプルなお砂糖の黒豆甘納豆もとても美味しい。
当たりや!