小学校での読み聞かせの活動を始めて8年。
コロナ対策をして久々約1年ぶりに小学校4年生の読み聞かせをした。
先生から以前「最近の子どもたちは昔話を知らない子が多いからできれば昔話を‥」というリクエストをいただいてからなるべく昔話を選んでいくようにしている。
しかし、以前ブログでも書いたように大人になって改めて昔話を選書しようとすると残酷物語が多くて選ぶのに困る。
そんなことは大人になって気がついた。
「死ぬ」とか「殺す」とか残虐表現が当たり前のようにあるのに驚く。
グリム童話もそう。
前にも書いたように「カチカチ山」「因幡の白兎」においては凶悪犯罪物語と言っても過言じゃない。
狸も兎もやることえげつない。
因幡の白兎の悲惨さはもう・・兎の皮を剥いで潮水で洗えってちょっと・・・
昨年観た「ミッドサマー」、「死霊のはらわた」の負けず劣らずの物語。
先生、子どもたちにこれを読めと・・
「舌切りすずめ」も「はなさかじいさん」も凶悪なあばあさん、そして隣人に、スズメ、犬が残虐行為をされるという・・よく普通に子どもの時読んでたなと怖くなる。
「舌切りすずめ」は凶悪で貪欲な本性を持ったおばあさんを嫁にしてしまったおじいさんの大誤算だったに違いない。
スズメがおばあさんの作ったノリを食べてしまった量はたかが知れてる。なのに舌を切るという残酷行為。さらに執拗にスズメを探して山に行ったのは、スズメはおじいさんの愛人だったとか。そんな説もあるようです。
さらにスズメを探しに行く途中で出会う町人も残酷人。
スズメの場所を知りたければ泥水を飲め!と言う。馬の血や尿を飲め!ともいわれる。
そんなスズメの居場所と引き換えに非道な要求を求める人間が2、3人現れ、それも何とかクリアする。
おじいさん、そんなことまでしてスズメに会いたいか・・
愛人説を考えると納得するところもある。
それとも渡る世間は鬼ばかりという事か。
(そもそも渡る世間といえば・・「渡る世間に鬼はなし」。しかし今は鬼ばかりとつい言ってしまう。橋田壽賀子の影響力はすごい。笑)
おじいさんはその屈辱的な難題ををクリアし、やっとスズメに会えて帰りには素晴らしいお土産を手にするが、おばあさんに限っては泥水飲んで馬の血や尿まで飲んでやっとスズメにあったのに化け物入りのお土産をつかまされるという…
愛人説で考えると、おばあさんはおじいさんの愛人の若いスズメが憎かったんだろう・・。そして若いスズメもおじいさんの正妻に対抗し自分の存在の大きさを示したかった。きっとおばあさんが選ばなかった小さな箱にもとんでもない仕掛けがあったに違いない。
おばあさん、帰りの道中で荷物開けたからひとりで驚いただけで済んだけど、うちに帰っておじいさんのいるところで荷物開けたらと想像すると・・・またややこしくなる。
いらん想像してしまった。
そんな話が多い日本昔ばなし。
何とか残虐表現がないものを探して「ふるやのもり」と年末ということもあって「かさ地蔵」で落ち着きました。
「ふるやのもり」を読み終わって、
「結局ふるやのもりは何だったんですか?」と質問された。
「何だと思う?」
「雨!」『雨漏りじゃない?」・・と盛り上がり、考える余地を残して終了しました。
めでたし、めでたし。
以前書いたカチカチ山の残酷さを書いたブログです。
かちかち山