セミ

左はセミの抜け殻。ギックリ腰になったみたいにみえる

今回は映画の話でも、本の話でもありません。

セミ。

朝からミンミンミンミン大合唱。来たよ夏が。

7年も土にいてやっと地上に出てこれたセミたちよ。私から半径2メートル以外のところで存分に楽しんでおくれ。

この時期はたまに地面でトボトボ歩いてるセミにビクついて下で動くものに過剰に反応してしまう。

街でカッコつけて歩いていたのに、地面にひら〜〜と葉っぱが揺れただけで、ビクっとしてシェーーーのポーズになってしまって一人で恥ずかしい。

後ろにいた男性は私の振る舞いを見てすごくびっくりしたと思う。きっと危ない人だと思ったと思う。

自転車に乗っていて、おでこにセミがパーーンと当たって胸のあたりでブローチのようにくっついていた時は、お互い何が起こったのかしばらくわからなかったと思う。

「わー」にてんてん付けたような黄色い声出しながら思いっきり振り払って、払った力が強すぎて地面に転がって動かなかったセミ。

ただでさえ人生じゃなくセミ生短いのに。

お願いだから私に近づかないでおくれ。

子どものころは神社の木に登ってせみを手掴みして家に持ち帰る・・・今は。

大人になるってこうも変わるのか。

なんでも将来、食料不足でセミ食があるかもしれないと。

すでに中国やアメリカの一部で食してるとか。

オーマイガー

紙の月

2014年公開

角田光代 原作

監督:吉田大八

宮沢りえ 池松壮亮 小林聡美 石橋蓮司

またまた前回と同じ角田作品です。

昨年アマプラで見た作品。やっぱり面白い。

私が付いていないとこの人は・・・と思いがちな人は要注意。

(自分もそのタイプかもしれない・・)

母性本能を鷲掴みされたこの話にそわそわする。

大学生役の池松壮亮の微妙な風貌がよりリアルさを増す。

顧客役の石橋蓮司も、先輩役の小林聡美もすごくよかった。

小林聡美よかったなぁ。

小林聡美は好きな女優のひとり。

90年代に人気があった「やっぱり猫がすき」は、YOUTUBEにアップされていてたまに見る。今でも面白い。

もたいまさことのコンビは最強。

真面目な主婦からだんだん変貌していく宮沢りえもよかった。

たしかこの作品で主演女優賞とったはず。

ほんとにね・・

人を好きになるパワーってとんでもない力を発揮する。

良くも悪くも。

だから作品になるんだけれども。

人間ここまで変わってしまうってこと。

ラストは桐野夏生の「OUT」を思い出した。

(この小説もこわい話だけど面白い。だいぶ前ドラマも。)

こわいこわい。

曽根崎心中

2011年発行 リトルモア

原作 近松門左衛門

角田光代

これは面白い。

はじめから最後までずっと引き込まれた。

一駅で降りるのに本を開き、洗濯機回している間に本を開き、歯医者の待ち時間に本を開きで二日で読んだ。(私にとってはものすごく早い)

もう泣いた。

そしてこの装画もとてもいい。(悔しいなぁ 笑)

浄瑠璃や歌舞伎の演目を角田光代がどう現代の言葉で書いているのか興味があって図書館で借りてみたところ、あまりにも良くて手元に置きたいからさっきポチっと押してしまった。

この作品は私のベスト3に入る面白さ。

角田光代の凄さを改めて知った。

歌舞伎で話は知っていた。しかしこんなにも今のことばで、そして恋をした初の気持ちの描写が細かくてとても切なく、感情移入しやすく臨場感もあって、もうね・・もうーヤバかった。

(自分の語彙力のなさが情けない。しかしヤバいって便利な言葉。)

ヤバいといえば

話が少し逸れて、先日原宿で2人組の女の子が偶然見かけた友人に声をかけてた時の会話。

女子AとB:「あれ、〇〇じゃない?〇〇ーー!」(名前を呼んでる)

友人:(名前を呼ばれた方向に振り向いて)「ヤバい〜」

女子AとB:「ヤバーーーい!」(手首が振りちぎれそうなくらい手を振る)

女子AB、友人:「ヤバーーーい!ヤバい!ヤバーーーーーい!」

久しぶりに会ったらしい。感激感動の表現が「ヤバい」の一言で会話が成立している。

ちなみに美味しいも「ヤバい」。

ヤバいってほんと便利な言葉。

本来の使い方、「ヤバい、遅刻しそう」って思った時、あれ?今の子の言葉使ってる・・いやいやこれはあってる、あってるって思い直すことがある。もう本来の使い方は、なんて思う必要なくなってきてるのかもしれない。

この先、近松作品がさらに現代語に訳された時、もしかして「ヤバい」という言葉で訳される箇所があるのかもしれない。

ないことを願う。

本が届くのが楽しみ。そして届いたらまた読み返したい。

角田光代版の「源氏物語」もあったら読んでみたいなぁ。書いたらきっと面白いんだろうな。

この本は本当、おすすめです。