曽根崎心中

2011年発行 リトルモア

原作 近松門左衛門

角田光代

これは面白い。

はじめから最後までずっと引き込まれた。

一駅で降りるのに本を開き、洗濯機回している間に本を開き、歯医者の待ち時間に本を開きで二日で読んだ。(私にとってはものすごく早い)

もう泣いた。

そしてこの装画もとてもいい。(悔しいなぁ 笑)

浄瑠璃や歌舞伎の演目を角田光代がどう現代の言葉で書いているのか興味があって図書館で借りてみたところ、あまりにも良くて手元に置きたいからさっきポチっと押してしまった。

この作品は私のベスト3に入る面白さ。

角田光代の凄さを改めて知った。

歌舞伎で話は知っていた。しかしこんなにも今のことばで、そして恋をした初の気持ちの描写が細かくてとても切なく、感情移入しやすく臨場感もあって、もうね・・もうーヤバかった。

(自分の語彙力のなさが情けない。しかしヤバいって便利な言葉。)

ヤバいといえば

話が少し逸れて、先日原宿で2人組の女の子が偶然見かけた友人に声をかけてた時の会話。

女子AとB:「あれ、〇〇じゃない?〇〇ーー!」(名前を呼んでる)

友人:(名前を呼ばれた方向に振り向いて)「ヤバい〜」

女子AとB:「ヤバーーーい!」(手首が振りちぎれそうなくらい手を振る)

女子AB、友人:「ヤバーーーい!ヤバい!ヤバーーーーーい!」

久しぶりに会ったらしい。感激感動の表現が「ヤバい」の一言で会話が成立している。

ちなみに美味しいも「ヤバい」。

ヤバいってほんと便利な言葉。

本来の使い方、「ヤバい、遅刻しそう」って思った時、あれ?今の子の言葉使ってる・・いやいやこれはあってる、あってるって思い直すことがある。もう本来の使い方は、なんて思う必要なくなってきてるのかもしれない。

この先、近松作品がさらに現代語に訳された時、もしかして「ヤバい」という言葉で訳される箇所があるのかもしれない。

ないことを願う。

本が届くのが楽しみ。そして届いたらまた読み返したい。

角田光代版の「源氏物語」もあったら読んでみたいなぁ。書いたらきっと面白いんだろうな。

この本は本当、おすすめです。

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