堕天使たちの鎮魂歌

〜夢色ハーモニーは永遠に〜

座長は三宅裕司。劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)

昨日の千秋楽(11/6 日)を観劇。

コロナになった2年前から初めての舞台鑑賞。

やっぱり舞台はいい。

久々の舞台鑑賞のせいか、あの空間に改めて不思議を感じた。

板の上で、そして目の前で役者が、装置、照明、音響、そして客も含めて一体になり人間ドラマが展開される不思議。

セリフをトチる、役者は焦る、それを見た客はドッと笑う、役者は台本に無いセリフでその場を繕う、また客は笑う。

これが舞台の面白いところ。

役者は焦るが客としては得した気持ち。

しかしこういったやりとりも役者が真剣だからこそ面白いわけで、変に小慣れた感が見えてしまうと全く面白くない。腹立たしささえ感じることがある。

なので舞台上の小さなトラブルをどう巻き返すのかは長年の経験とセンスあって面白く出来るものだと思っている。

こういうやりとりは映画にはない。

誤解を招くので言っておきますが映画も好きですよ。

ざっくりのストーリーを言うと、売れない3人組ボーカルグループがずっと大きな舞台で歌うことを夢見て、気がつけば売れないまま何十年も経っていて、ある時あるアイドルグループの替え玉として歌えという。そのいろんな葛藤や衝突を描いた話。

これが笑いあり、涙ありで。

時に共感して涙してしまったり、爆笑したり、感情が大変だった。

アイドル名、キンプリ(キング&プリンス)ならぬ「キンブリ」(錦糸町ブリリアント)とか、曲名「愛の倦怠期」とか。

ネーミングだけで客は爆笑。

「スポンサー集めようとKADOKAWA行っても青木行ってもそれどころじゃねぇって断られるんだよ。それでかっぱ寿司いったら社長不在だって」

タイムリーで客は爆笑。

最後の挨拶で三宅裕司が少し泣いていた。

「自分もメンバーも古希が増えてきて、コキコキ言って、あと何年芝居できるか・・・、しかし今日よりも明日!今年よりも来年!もっといい舞台を作りたいと思います!」

確か大病された三宅裕司さんですがちゃんと復帰して、舞台に立って、そして今日よりも明日!っていういい意味での貪欲さ。その気持ちや在り方に力が湧く。

ちっこい小倉久寛さんも、不器用なしゃべりの中でも創立から今までを振り返っての舞台への熱い想い。

「昔は池袋グリーンシアターって小さい劇場というか小屋みたいなのがあってね、池袋で芝居やるから来てねって言うとサンシャイン劇場でやるの?って言われて・・いや、グリーンシアター、どこそれ?って言われて。それで来たお客が5人。役者の方が多いわけ。でも一生懸命やりました。それでいつかサンシャインでやってやる!って思ったわけ。こうしてコロナ前の賑わいでサンシャイン劇場でやれている今は・・(小倉涙・・客大拍手)続けてて本当に良かったなぁと思ってます」(三宅裕司も涙 客大大拍手)

私ももらい泣きしてしまった。

40年以上続いている劇団だけど、ちゃんと新しい時代を取り込んでいるところは常に世の中の流れにアンテナ張って勉強している座長の三宅裕司、劇団員、他スタッフのひたむきな努力が長く支持されている秘訣なんだと感じた。

本当に素晴らしい舞台でした。

ちなみにイラストレーターを名乗っている現在の私は、このポスターを描いた人は誰なのか調べたところ、三宅晋之輔さんというアーティストの方らしい。

てっきり座長と苗字が同じなので息子??父座長の息子びいきか?と思ったら関係ありませんでした笑。

とても素敵なポスター

私が描いたらもっとこうする、ああするなんて妄想し、そして私の方がいいかもよ、なんて思ったりしました。

芝居関係、映画関係、その他の絵のお仕事をお探しでしたら、ぜひ私のインスタやHPをご覧いただきご依頼ください。

芝居の話に戻って、そういえば昔、私がスタッフとして仕事していた老舗劇団の役者さんが言っていたことばを思い出す。

「やっぱり私は舞台が好き。だって映画は監督のもの。だけど舞台は役者のものだから」

そんな言葉を思い出しました。