I Feel Pretty

一度使ってみたかったコピックで描いてみた。まだ慣れないけど手軽なのがいい。

日本では2018年12月に公開

監督 アビー・ゴーン

   マーク・シルヴァースタイン

キャスト:エイミー・シューマー、

     ローリー・スコーヴェル

     ミシェル・ウィリアムズ

コピックで

アマプラで視聴。

ユーモアがあって面白い。

自分のコンプレックス、思い込みに囚われていて、本当の魅力を自分が消しているという、

誰しもあるあるなのかも。

キラッと光る魅力は誰しもあるものだと思っている。

自分にも。あなたにも。

確か書籍で「思い込みが9割」っていう本があった。

そう、思い込み。全ては思い込み。

これが相当厄介なヤツ。

人ってネガティブな意見の方を聞いてしまいがちだということを聞いたことがある。

そうかもしれない。

他人の無責任な意見で、長いあいだ自分の人生を振り回されてると思ったらバカらしい。

コンプレックスがなくなったという、またこれも思い込みなんだけど、その時の主人公エイミー・シューマーの魅力的なこと!とってもチャーミング。

これが本当の姿。

いい思い込みは最強!

おすすめ映画です。

見た目のコンプレックスって自分の中では大きな悩みなのだけど、他人から見ればそこまで気にして見てないものだったりする。

そんなもん。

でも若い時は見た目が全てという時期があったりするからね。(人によるけど)

年を重ねても見た目には気を使うのだけど、やっぱり中身。社会で生きていくためにはこれが大事だとだんだん気づくし、優しさ、思いやりを持ちながら上手く自分を表現できる人ってやっぱり魅力的。

妬み、愚痴、会話泥棒、マウントとる、自己顕示欲・・

いい年してまみれてますからね。はい。

「妬み」これらはあって当然な感情。ない人なんていない。否定しなくていいと思っている。妬みのパワーは強いからそのパワーを自分の燃料に切り替えることが大事。相手に向けてはいけない。

「愚痴」言いたい時だってあるのよ。酒のつまみの愚痴はサイコー。愚痴のために酒を飲む。シラフで愚痴はできればやめたほうがいい。いいわけできなくて後々大変。

(話し逸れた)

しかし会話泥棒とかマウントとるとか、これはね、あかんね、エツコさん。

人の気持ちに寄り添う。

さらっとできる美人になりたい。

RRR

(↓2022年11月に書いたブログです。アップし忘れてました。)

監督、脚本/S.S.ラージャマウリ

インド映画。

絵の恩師が面白いと勧めてくれて早速鑑賞。

久々バカ面白い!(汚い言葉ですみません)

そのくらい面白かったということ。

3時間という長い作品だけどあっという間。

最初から最後まで見入る作品。

ドキドキハラハラ途中笑いも。

そして涙も。ツッコミどころ満載なのも面白い。なにせわかりやすいし、そしてこの時代に驚くような思想感。

エンタメ性抜群!

ちまたでもやはり高評価。

いやぁーこれはすごい!

すごいの作ったなぁ。ラージャマウリ!

アカデミー賞、歌曲賞受賞!

うん、納得だけど個人的には作品賞でも良かったと思っている。

堕天使たちの鎮魂歌

〜夢色ハーモニーは永遠に〜

座長は三宅裕司。劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)

昨日の千秋楽(11/6 日)を観劇。

コロナになった2年前から初めての舞台鑑賞。

やっぱり舞台はいい。

久々の舞台鑑賞のせいか、あの空間に改めて不思議を感じた。

板の上で、そして目の前で役者が、装置、照明、音響、そして客も含めて一体になり人間ドラマが展開される不思議。

セリフをトチる、役者は焦る、それを見た客はドッと笑う、役者は台本に無いセリフでその場を繕う、また客は笑う。

これが舞台の面白いところ。

役者は焦るが客としては得した気持ち。

しかしこういったやりとりも役者が真剣だからこそ面白いわけで、変に小慣れた感が見えてしまうと全く面白くない。腹立たしささえ感じることがある。

なので舞台上の小さなトラブルをどう巻き返すのかは長年の経験とセンスあって面白く出来るものだと思っている。

こういうやりとりは映画にはない。

誤解を招くので言っておきますが映画も好きですよ。

ざっくりのストーリーを言うと、売れない3人組ボーカルグループがずっと大きな舞台で歌うことを夢見て、気がつけば売れないまま何十年も経っていて、ある時あるアイドルグループの替え玉として歌えという。そのいろんな葛藤や衝突を描いた話。

これが笑いあり、涙ありで。

時に共感して涙してしまったり、爆笑したり、感情が大変だった。

アイドル名、キンプリ(キング&プリンス)ならぬ「キンブリ」(錦糸町ブリリアント)とか、曲名「愛の倦怠期」とか。

ネーミングだけで客は爆笑。

「スポンサー集めようとKADOKAWA行っても青木行ってもそれどころじゃねぇって断られるんだよ。それでかっぱ寿司いったら社長不在だって」

タイムリーで客は爆笑。

最後の挨拶で三宅裕司が少し泣いていた。

「自分もメンバーも古希が増えてきて、コキコキ言って、あと何年芝居できるか・・・、しかし今日よりも明日!今年よりも来年!もっといい舞台を作りたいと思います!」

確か大病された三宅裕司さんですがちゃんと復帰して、舞台に立って、そして今日よりも明日!っていういい意味での貪欲さ。その気持ちや在り方に力が湧く。

ちっこい小倉久寛さんも、不器用なしゃべりの中でも創立から今までを振り返っての舞台への熱い想い。

「昔は池袋グリーンシアターって小さい劇場というか小屋みたいなのがあってね、池袋で芝居やるから来てねって言うとサンシャイン劇場でやるの?って言われて・・いや、グリーンシアター、どこそれ?って言われて。それで来たお客が5人。役者の方が多いわけ。でも一生懸命やりました。それでいつかサンシャインでやってやる!って思ったわけ。こうしてコロナ前の賑わいでサンシャイン劇場でやれている今は・・(小倉涙・・客大拍手)続けてて本当に良かったなぁと思ってます」(三宅裕司も涙 客大大拍手)

私ももらい泣きしてしまった。

40年以上続いている劇団だけど、ちゃんと新しい時代を取り込んでいるところは常に世の中の流れにアンテナ張って勉強している座長の三宅裕司、劇団員、他スタッフのひたむきな努力が長く支持されている秘訣なんだと感じた。

本当に素晴らしい舞台でした。

ちなみにイラストレーターを名乗っている現在の私は、このポスターを描いた人は誰なのか調べたところ、三宅晋之輔さんというアーティストの方らしい。

てっきり座長と苗字が同じなので息子??父座長の息子びいきか?と思ったら関係ありませんでした笑。

とても素敵なポスター

私が描いたらもっとこうする、ああするなんて妄想し、そして私の方がいいかもよ、なんて思ったりしました。

芝居関係、映画関係、その他の絵のお仕事をお探しでしたら、ぜひ私のインスタやHPをご覧いただきご依頼ください。

芝居の話に戻って、そういえば昔、私がスタッフとして仕事していた老舗劇団の役者さんが言っていたことばを思い出す。

「やっぱり私は舞台が好き。だって映画は監督のもの。だけど舞台は役者のものだから」

そんな言葉を思い出しました。

家族はつらいよIII 妻よ薔薇のように

2018年公開

監督 山田太一

出演 夏川結衣 西村和彦 橋爪功 吉行和子 妻夫木聡 中嶋朋子 蒼井優

「家族はつらいよ」シリーズのパート3

キャストはずっと同じ。

東京家族(小津安二郎の「東京物語」のオマージュ作品)の時も同じキャストだった。だからその延長のように錯覚してしまう。

「主人」に従う専業主婦の大変さを表した作品だけど、2018年の時代にこのテーマは時代にあっているようないないような。

家出から戻ってくる妻(夏川結衣)のシーンは見どころで、涙あり、笑いありで面白かった。

役者はみんな良かった。

確か会見で山田監督が中嶋朋子の旦那さん役、林家三平が下手で下手で・・って笑いながら言ってたけど、その少し飛んだ感じが気の小さい義理の息子という役柄にはぴったり合っていたように思う。

家族、パートナーそれぞれ思いやりが大事

男性側から見ると奥さんの大変さだけがクローズアップされていて旦那さんの仕事の大変さはクローズアップされないという不満の声がどこからか聞こえてくるような気もするが、そこよりもお互いの思いやりが大事という点。

どちら側にしてもパートナーを召使い扱い、上下関係を作ったら逃げられるんですよ今の時代。

ふと自分を振り返ってみると、改めて旦那さんには感謝感謝です。

絵を描いていられるのも旦那さんのおかげなのです。

そんなパートナーや家族の存在を改めて考えさせてくれるのがこの作品でした。

横尾忠則

この作品のビジュアルは横尾忠則。

ここも見どころです。

山田作品の寅さんは今またBSでやってますね。

何度見たか。何回見ても飽きないくらい面白い。

ファミレスで

今回は映画でも演劇でもない話しです。

赤ちゃんのいる家族は外食大変です

先日、友人との待ち合わせに早めに来てしまったので近くのファミレスで時間をつぶしてた時の出来事。

ふたつ隣のテーブルで家族4人外食中。

子どもは4才くらいのお姉ちゃんと2歳くらいの弟。

男の子がやたら機嫌が悪い。

何をしてものけ反ってギャンギャン泣き。

ママが周りを気にして外へ連れて行ったり右往左往。

大変だ。

ちらほらと周りから「うるさいなぁ」と言う声が聞こえる。

私もそんな状況、経験があるからわかる。

何か手助け出来ることがあればしてあげたいという気持ちはあるんだけど。

たぶん赤ちゃん眠いんだろう。

文句を言ってた人たちは高齢の人が多かった。気持ちはわかるけど。

そんな時、反対側の隣のテーブルにいた中年女性が家族のテーブルに子ども用のパンケーキをプレゼントしてた。

アレルギーも心配してか、プレゼントをしていいかどうか一言パパさんに伝えていた女性。

ちょうどクーポンを持っているから気にしないでと言って、これで機嫌が良くなればいいんだけどね、と。

感動!

もし私だったら、こっちで頼みますから大丈夫ですよ、とまずは言う。けど遠慮しながらいただくかな。せっかくなので。そんな感じな振る舞いをすると思う。

そのパパは「いただきます!」と。やったー!と言わんばかりのテンション。おとなしく座っていた4才くらいのお姉ちゃんの方が大人に見えた。

クレームよりちょっとした心遣い。いくら無料クーポンでもなかなか出来る事ではない。

ほんとに素晴らしい。

パパ違うって・・

戻ってきたママにパンケーキのことを説明してるパパ。あれ??伝え方がおかしい。

「うちらがうるさいからパンケーキくれるって」とムスッと話す。

そんな伝え方だから当然ママの顔が曇る。

ちがうちがうパパ!そんな捉え方?

何なら私が(しゃしゃり出て)ママに伝えましょうか?と喉元まで出かかった。

今の会話、プレゼントした女性に聞こえていないことを祈る。

パンケーキがやってきた。

パパがいちばんに食べた!あの、それ子どものだから!子どもにあげて!子どものプレゼントだからー!

プレゼントしてない自分がなぜか焦る。

ギャン泣きしてあやして忙しいママと違ってパパは常にマイペース。ママは細い腕で抱っこしたり下ろしたり。

パパ、鍛えた腕の筋肉をこういう時こそ役に立たせてくださいと心の声が呟く。

ま、人様のお家のことだから、ママじゃないと機嫌が悪くなるということもある。

たまにはママにもゆっくり食べさせてあげてほしいなぁと、またまた心で呟いた。

パパ、周囲の人に謝っていた。「すいません、赤ちゃんなんで」と。「赤ちゃんなんで」はいらんかったと心でつっこむ。

パンケーキ効果は一時的だけだったけど、隣の女性の素敵な振る舞いに見習いたいと思った1日でした。

となりの席にいた外国人男性

ちなみに、そろそろ待ち合わせの時間になったのでお手洗いに行っておこうと思い、上着を席に置いて立ったら隣で一生懸命勉強してた外国人の若い男性が「わすれものです!」と急いで上着を持ってきてくれた。

親切な人。

せっかくなのでお手洗いに行かず、お礼を言ってそのまま会計して店を出ました。

その後会った友人に、ファミレスの出来事を話したらまたまた盛り上がり「甘やかされて育ったのよ」「いつか奥さん爆発する!」となんだのかんだのと妄想付きで話が膨らみすっかり酒の肴となってしまった。

ついでに上着を持ってきてくれた若い外国人の男性のことも「かっこいい?」「かっこいい?」ってほんとに女同士の会話って・・。面白い。「マスクしてたからよくわからない」と答えたが。誠実そうな中東系の方でテーブルにドリンクのカップが3つくらいあったので長い時間ここで勉強しているんだな、と。

ファミレスでの1時間はなかなか面白かった。

きのう何食べた?

原作/ よしながふみ

(講談社「モーニング」2007〜連載中)

監督/ 中江和仁

出演/ 西島秀俊 内野聖陽 山本耕史 磯村勇斗

内野聖陽がいい

今公開中の映画。

前からドラマも面白くて見ていた。

何がいいかって話も面白いけど役者の内野聖陽(うちのまさあき)が特に素晴らしい。

内野見たさです。カッコいい、とかじゃなくて。(実際かっこいいけど)役者としてすばらしいと思った。

ゲイのカップルなんだけどほんとに繊細でかわいい。

パンフより

料理が美味しそう

そしてなんと言っても出てくる料理がほんとに美味しそう。

キンキのアクアパッツァ、キャラメルリンゴをのせたトーストは特に美味しそうだった。

作る過程も劇中に出るので勉強にもなるし、より美味しそうに感じる。

ちなみに劇中には料理の監修スタッフがいて、フードスタイリスト、大手食品CMも多数手がける山崎慎也という方らしい。(知らないけど)

そのキャラメルリンゴ、リンゴの時期なのでやってみたいと思う。簡単そうだったよ。

リンゴを煮て砂糖を加えるだけ。少し茶色くなったら出来上がり。水は入れない。出来上がりのリンゴにシナモンをかける。映画ではアイスクリームものせていた!

(作り方、二行で終わり。笑)

アドリブが多い??

朝ご飯でキャラメルリンゴのトーストを食べるシーン。

セリフで西島秀俊が「カロリー高そうだな・・」とプラスアイスクリームまでのせる内野をみてぼそっと「大丈夫、朝だから」と内野。

あのやりとりはきっとアドリブではないか、と感じた。

お互い含み笑いをして笑いを我慢してるやりとりが何度か見受けられた。

きっとアドリブなんだろう、と。

もしセリフだとしたら、そう感じさせる二人の実力も素晴らしい。

内野聖陽ほんといい。

ゲイカップルが抱える諸事情、その家族とどう向き合うか。お互いの優しい思いやりが不安を招いたりそんなことも描かれている。

当たり前の日常こそに幸せを感じられるあったかい映画でした。

パンフより

THE GUILTY

ヤコブ・セーダーグレン

2019年作品、 デンマーク映画

「ギルティ」

監督 グスタフ・モーラー

ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ、ヨハン、オルセン

(久々の投稿ですが、コンスタントに見てくれる方がいて本当に感謝です。)

9月から、このデンマーク作品のリメイク、ハリウッド版が劇場で上映されているらしい。

ちなみに監督はアントワーン・フークア、キャストはジェイク・ギレンホーク、イーサン・ホーク・・(この監督作品は見たことない)

デンマーク作品はアマプラ視聴だったが面白かった。

ほとんど動きがないのにハラハラドキドキさせる。

この作品の面白さは声だけで想像させるとこ。

頭の中に見てる人それぞれの映像として膨らむ。

いかに人が思い込みというものが強いか。思い込みによってとんでもない判断をしてしまうかという物語。

まちがった先入観によって誤った誘導をしてしまう怖さ。

しかし長年の経験という中での判断も大事。そのバランスが難しいと考えさせられた。

地味だけど面白かった。

そしてラスト、主人公はどこへ電話を??

そこ、気になります。

セミ

左はセミの抜け殻。ギックリ腰になったみたいにみえる

今回は映画の話でも、本の話でもありません。

セミ。

朝からミンミンミンミン大合唱。来たよ夏が。

7年も土にいてやっと地上に出てこれたセミたちよ。私から半径2メートル以外のところで存分に楽しんでおくれ。

この時期はたまに地面でトボトボ歩いてるセミにビクついて下で動くものに過剰に反応してしまう。

街でカッコつけて歩いていたのに、地面にひら〜〜と葉っぱが揺れただけで、ビクっとしてシェーーーのポーズになってしまって一人で恥ずかしい。

後ろにいた男性は私の振る舞いを見てすごくびっくりしたと思う。きっと危ない人だと思ったと思う。

自転車に乗っていて、おでこにセミがパーーンと当たって胸のあたりでブローチのようにくっついていた時は、お互い何が起こったのかしばらくわからなかったと思う。

「わー」にてんてん付けたような黄色い声出しながら思いっきり振り払って、払った力が強すぎて地面に転がって動かなかったセミ。

ただでさえ人生じゃなくセミ生短いのに。

お願いだから私に近づかないでおくれ。

子どものころは神社の木に登ってせみを手掴みして家に持ち帰る・・・今は。

大人になるってこうも変わるのか。

なんでも将来、食料不足でセミ食があるかもしれないと。

すでに中国やアメリカの一部で食してるとか。

オーマイガー

紙の月

2014年公開

角田光代 原作

監督:吉田大八

宮沢りえ 池松壮亮 小林聡美 石橋蓮司

またまた前回と同じ角田作品です。

昨年アマプラで見た作品。やっぱり面白い。

私が付いていないとこの人は・・・と思いがちな人は要注意。

(自分もそのタイプかもしれない・・)

母性本能を鷲掴みされたこの話にそわそわする。

大学生役の池松壮亮の微妙な風貌がよりリアルさを増す。

顧客役の石橋蓮司も、先輩役の小林聡美もすごくよかった。

小林聡美よかったなぁ。

小林聡美は好きな女優のひとり。

90年代に人気があった「やっぱり猫がすき」は、YOUTUBEにアップされていてたまに見る。今でも面白い。

もたいまさことのコンビは最強。

真面目な主婦からだんだん変貌していく宮沢りえもよかった。

たしかこの作品で主演女優賞とったはず。

ほんとにね・・

人を好きになるパワーってとんでもない力を発揮する。

良くも悪くも。

だから作品になるんだけれども。

人間ここまで変わってしまうってこと。

ラストは桐野夏生の「OUT」を思い出した。

(この小説もこわい話だけど面白い。だいぶ前ドラマも。)

こわいこわい。

曽根崎心中

2011年発行 リトルモア

原作 近松門左衛門

角田光代

これは面白い。

はじめから最後までずっと引き込まれた。

一駅で降りるのに本を開き、洗濯機回している間に本を開き、歯医者の待ち時間に本を開きで二日で読んだ。(私にとってはものすごく早い)

もう泣いた。

そしてこの装画もとてもいい。(悔しいなぁ 笑)

浄瑠璃や歌舞伎の演目を角田光代がどう現代の言葉で書いているのか興味があって図書館で借りてみたところ、あまりにも良くて手元に置きたいからさっきポチっと押してしまった。

この作品は私のベスト3に入る面白さ。

角田光代の凄さを改めて知った。

歌舞伎で話は知っていた。しかしこんなにも今のことばで、そして恋をした初の気持ちの描写が細かくてとても切なく、感情移入しやすく臨場感もあって、もうね・・もうーヤバかった。

(自分の語彙力のなさが情けない。しかしヤバいって便利な言葉。)

ヤバいといえば

話が少し逸れて、先日原宿で2人組の女の子が偶然見かけた友人に声をかけてた時の会話。

女子AとB:「あれ、〇〇じゃない?〇〇ーー!」(名前を呼んでる)

友人:(名前を呼ばれた方向に振り向いて)「ヤバい〜」

女子AとB:「ヤバーーーい!」(手首が振りちぎれそうなくらい手を振る)

女子AB、友人:「ヤバーーーい!ヤバい!ヤバーーーーーい!」

久しぶりに会ったらしい。感激感動の表現が「ヤバい」の一言で会話が成立している。

ちなみに美味しいも「ヤバい」。

ヤバいってほんと便利な言葉。

本来の使い方、「ヤバい、遅刻しそう」って思った時、あれ?今の子の言葉使ってる・・いやいやこれはあってる、あってるって思い直すことがある。もう本来の使い方は、なんて思う必要なくなってきてるのかもしれない。

この先、近松作品がさらに現代語に訳された時、もしかして「ヤバい」という言葉で訳される箇所があるのかもしれない。

ないことを願う。

本が届くのが楽しみ。そして届いたらまた読み返したい。

角田光代版の「源氏物語」もあったら読んでみたいなぁ。書いたらきっと面白いんだろうな。

この本は本当、おすすめです。