
ケ・セラ・セラー
なるようになる 先のことなど
わからない わからない
ケ・セラ・セラーー
「ギター流しです。童謡、民謡、演歌、懐メロ、昭和歌謡・・あの日あの時のあなたの想い出の曲を歌いたい!お気軽にどうぞ!」
子ども用の浴衣をハッピの用に羽織り、額に手ぬぐい、赤い鼻緒の草履姿で、おばあちゃんの原宿と言われている巣鴨の地蔵通り入り口で歌い上げるNさん。
「おじいちゃん、おばあちゃんたちに共感してもらうにはこういうスタイルにしないとね!」
子ども用の浴衣か・・着目点が面白い。
額の手ぬぐいの柄がとても強いものを感じる・・。吸い込まれそう。
普段は八王子あたりの老人ホームや福祉施設などを回って、ギターと歌でおじいちゃんやおばあちゃんたちを楽しませている。
別の場所でも活動をしたいと、たまに巣鴨に来て路上ライブをしてる。レパートリーはなんと600曲以上。
「リクエストあったらどうぞ!」
「えっ!あ・・、ケセラセラの曲が好きなので・・」
「じゃあ、もう一回歌いまーーす!」
夜になり、お店のシャッターは次々降ろされ、人通りはまばら・・。
客は私一人。
それでも私一人のために美しい歌声が駅前を響かせる。
作ったばかりの絵の入ったポストカードを差し上げると「これ描いたの?すごーい、プロの方?」
「・・・・」
私はプロなの?アマチュア?プロを目指したアマチュア?
考えた事なかったから返事に困った。
「これで生計を立ててるの?」
「生計なんてぜんぜん・・・」と言うと、とてもかわいそうな人を見るような、哀れんだ眼差しで見つめられ、そして力強い口調で、
「お互い、頑張りましょう!」と・・。
「はい、頑張りましょう!」
少しの会話だけど、深く通じ合った気がした。
ケ・セラ・セラー
なるようになる 先のことなど
わからない
ケ・セラ・セラーー