
モノクロ衣装が美しい。
18世紀の宮廷、実話をもとにした作品。
すごくきらびやかな映像かと思いきや、ドレスが全てモノクロ。
男性政治家の2政党だけに赤と青の色が使われていて、そのシンプルな色使いが逆に宮廷木造のクラシック感、宮廷の庭のグリーンが際立ち、全体の色にメリハリを感じてとても美しい。
ドレスもモノクロながら豪華さを感じて素晴らしい。
色使いがとても勉強になる。
ちなみに衣装は「恋に落ちたシェイクスピア」、「ヴィクトリア女王」、「メリー・ポピンズリターンズ」などを担当したサンディ・パウエル。
時代物が得意みたい・・。アカデミー賞も多数受賞している。
なんと、コメディ映画
久しぶりにエグいものを観た。
誰一人いい人間が出てこない。
人間の愚かな部分を露骨に出していて、もう笑いが出てしまうくらい。
映画館ではみんな静かに観ていたけど、私はハンカチを口に抑えて声を殺して笑ってました・・。
コメディー映画という事は後で知った・・やっぱり・・
西洋版「大奥」?
女王の心をどうやって掴んで、そしていかにのし上がっていくか・・
それを試みる召使いのアビゲイル(「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン)の野心が面白い。
映画に登場する男性も、可愛そうなほど愚かな描き方・・。
もう登場する男全てが情けなくて・・そっち!?の事しか頭にないのかと、情けなさMAXで笑ってしまう・・。
女王に許可なく近付いたらムチを食らう。
リスクを冒してでも、気に入られ、上に立つために、自分の薬草知識を生かし、女王が寝ている間に勝手に足に薬草を塗る。(女王は痛風で足が腫れて苦しんでいる)
案の定、側近の女官庁サラ(レイチェル・ワイズ)からの命令で、罰としてムチを食らわされるが、途中で女王が足が楽になったと言い、一転、アビゲイルは召使いから侍女に昇格。
そしてアビゲイルは、女王の前でわざと咳をして、
「薬草を摘みに行って風邪を引いてしまいました・・」と、成果をさりげなくアピールした抜け目のなさには笑ってしまう・・
その時のサラの顔つきがまた面白い。
前職場を思い出す・・
アビゲイルのような人って集団の中で嫌われがちだけど、私は嫌いじゃない。すごいなぁ・・て感心してしまう。常にアンテナ張っている。
この映画の後半に起こる事は別として、術をまねしたいくらいに思った。
そう、後半はだんだん笑えなくなる・・
最後の終わり方は、ん・・結局そうなっていくよね・・・という感じでしょうか・・・面白かった。
ネットの評判では、終わり方にいろんな意見があるみたいだけど。
さっきも書いたけど、私はアビゲイルのような野心の強い人間は嫌いじゃないし、この醜い感情は自分の中にもある。
私にとってアビゲイルの姿は、あるあるのような気がしてなりませんでした・・・
