男はつらいよ お帰り寅さん

1週間で八つ切りサイズ3枚描いた。失敗作入れたら10枚描いた。
今回勉強になった事は、好きなものはなかなか描けない。思い入れが強いからだろうか。
寅さんの顔が描けなくて・・結局描けなかった。
色塗るとだめなの。
フラットな気持ちで描かないとだなぁ・・
この絵は寅さんの家の団子屋「くるまや」さんです。

最初の曲から泣いた

チャーーンでもうだめ・・

うちにある寅さんのDVDを普通に観てもでオープニングの曲で泣けないのに、映画のタイトルに「お帰り寅さん」って書いてあるだけですべてが泣ける。

ちょっとトリック。

桑田佳祐があのオープニングの歌を歌っているんだけどかなり渥美清に寄せてたように思う。きっと相当なプレッシャーだったに違いない・・・と思う。

久々、後藤久美子

変わらない美貌。

いい年輪が加わり、味わい深さが出てて母親役の夏木マリとのシーンは泣きました。

昔から思ってたけど、後藤久美子(泉)が美人過ぎて吉岡秀隆(満男)のイメージとあまり釣り合わないなーなんて思ってて・・現実的じゃないなぁと。

いや、いや、現実でもある!

満男が大金持ちならあり得る!

メロン騒動

小林稔侍がメロンを持ってきたシーンを観て、寅さんファンならもうピンときたと思う。

そう、あの名シーン「メロン騒動」やるなって。

やってましたよ期待通り。何回見ても面白い。

たった一切れのメロンで大げんか。

おばちゃんの、

「もう!メロンなんてもらわなきゃよかった」

そう言って前掛けを顔に当てて号泣するのが最高に面白い。

真剣だからこそ笑えるあのシーン。

知らない方はYOU TUBEで「寅さん メロン」で検索すると出てきます。

歴代マドンナとの回想シーン

もう天国に逝ったマドンナも多く、余計に泣けました。

八千草薫、大原麗子、太地喜和子・・

実は年に一度、太地喜和子ファンが集まって偲ぶ会が行われていて私も参加している。

20年以上ずっと。ファンもだんだん高齢になってきて年々参加者が少なくなってきてるけどそれでも毎年お会いして、出演のDVDを観ながら食事をして、それぞれの思い出話で盛り上がって、私は皆さんの話をふんふんと聞いて楽しんでいる。

寅さん秘話もファンの人から聞く事ができて、なかなかリアルで面白い。

だからスクリーンで太地喜和子が出てきた時は「おおっ!」ってなって、嬉しいやら悲しいやら。DVDでは何度も観ているんだけど、やっぱりスクリーンに出ると何とも言えない寂しさがあります。

もう太地喜和子が亡くなった年(48才)を越えてしまった・・・

マドンナに限らず、もういない名優が寅さん映画にはいっぱい出てて・・そこも余計に寂しさを増します。

タコ社長(太宰久雄)

「てめえなんかにな、中小企業の経営者の苦労がわかってたまるか!」

いつもこう言って寅さんとケンカになる。ちょっとKYなとこがあって面白い。

今回の映画も娘役として美保純がしっかりとタコ社長の性格を受け継いでて面白い。

太宰久雄は1998年、74才で亡くなった。

遺言は「葬式無用。生者は死者のために煩わさるべからず」

(朝日新聞 2019.12.29記事より)

カッコいい。

映画終わって

隣の席のおばさんもよく泣いてた。

私もよく泣いた。

映画館が明るくなって帰る時、チラッと見たらおばさんもチラッとこっちを見て目が合った。

きっと、わからないけど同じことを思ってたんだと思う。

「泣けたよね・・」って。

妙に通じ合った気がした・・

M1 ぺこぱの影響

ぺこぱ  けっこう難しかった・・

昨年末に放送されたM1グランプリで3位になったぺこぱが他の芸人さんたちにもけっこう衝撃を与えてるようで。

ぺこぱ漫才について語っている動画、ラジオがけっこうアップされていて影響の大きさを感じる。

たまたま聞いたラジオで語っていたオードリー、

春日「いやー、悔しいね・・その手があったか・・・」

若林「多様性を笑いにできる人が出てきた・・。時代の転換期を目の当たりにしたね。自分たちはこじんまりと自分たちにできる笑いをやる。だけど足腰の弱い人だとそっちへよっちゃうんだろうな・・」

2019.12.28オールナイトニッポンより

笑いの世界じゃないけど、自分も絵の方向性や自分の得意なものがよくわからない時に若林の言うとこの足腰が弱かったなーと思う。あっちへフラフラこっちへフラフラ・・ころころタッチが変わったり。今は、んー、前よりは強くなったと思う。

だけどいろいろ影響を受けることは悪いことではないんだけど。

若林のあの言葉はとても冷静だと思った。

相手をディスって笑いをとるという漫才スタイルから、相手を受け入れる突っ込まない漫才スタイル・・やっぱりぺこぱは革命的でした。

私が審査員に入っていたら迷うことなくぺこぱでした。

なんばグランド花月

お正月、大阪で観たなんばグランド花月で優勝したミルクボーイが出てました。連日引っ張りだこらしく漫才でツッコミの内海の声が出てなかった・・のどやられちゃったらしく痛々しくてかわいそうでした・・

ここ数年お正月は初笑いとして大阪なんばで漫才観るんだけど、M1王者はお正月舞台ではすでにボロボロになってることが多い。優勝してから急に忙しくなって1日にテレビ、舞台で漫才7、8本するかららしい・・

王者も大変・・・

ちなみにあのオカンネタで「湿布」バージョンでした。

駒場:「おかんがな、冷蔵庫に入れて冷やす薬忘れたっちゅうんやけど一緒に思い出してくれる?」

内海:「それは湿布やな」

駒場:「貼っても効かへんって・・」

内海:「湿布やな・・・。それに一人で貼るとシワになる。夜腰に貼ったら朝足元来てる・・」

M1ネタで出たコーンフレークとモナカが今でもすごい売れてるらしいです。

コーンフレーク
「製造者さんの顔が出てこん・・」
モナカ
「菊の花とか家紋とか見た目怖いの。モナカと山根会長は見た目怖いのよ・・」

和田 誠展と佐々木悟郎展

「コタツから出る勇気」

和田誠 追悼展

初めて原画をみた。

今まで和田誠の絵は何か物足りなさを感じていたんだけど、この展示を見てやっと凄さが理解できた気がする。

やっぱり原画を見ないとわからないもんだなぁとつくづく思った。

サラッと描いたように見えてたんだけど原画を見るととっても、とっても繊細で丁寧。

色のバランス、その面の割合・・面もベタで一色じゃなかった・・。そして何て言うか空間の使い方、配置・・

そして何よりあたたかい。

そうだ、和田誠はグラフィックデザイナーでもあったんだ!

ギャラリーに置いてあった「ユリイカ」という雑誌の特集が追悼 和田誠特集だった。

いろんな著名人が和田誠について書いている。

デザイナーがイラストレーターを選ぶように、イラストレーターがデザイナーを選べるといいですね。あの人なら自分の絵を生かしてくれる、という逆指名制度があるといい。・・・それも可能じゃないかと思うんです

和田誠が言った言葉としてイラストレーター 伊野孝行氏の投稿文より。

私の描いた「男はつらいよ」の絵を、ぜひ横尾忠則に「帰ってきた寅さん2」としてのデザインしてもらいたい。

山田監督ー!呉々もクレジット忘れずにー

(和田誠 追悼展HBギャラリーにて 1/15(水)まで)

中でもこの絵が好き

佐々木悟郎 展

ギャラリーに入ると目の前にいきなり佐々木悟郎ご本人が!

まさか在廊されているとは思わなかった・・

ギャラリーハウスMAYAの空間だから決して広くないし。急に緊張しました。

この影のぼかしが美しくて好きです

ずいぶん昔、本屋で「水彩」という雑誌を買って、そこに佐々木吾郎の描くマグカップとそこに映る影の描き方が載っていて挑戦したことがある。

これがなかなか簡単そうで難しい。

出来上がりを見て、あまりの落差に愕然として、水彩ムリ!って泣きたくなった記憶がある。

今思えば、そりゃーいきなり佐々木吾郎と同じわけにはいかないでしょ、と思うんだけど。

本当に美味しそう・・・

佐々木悟郎「あなたは何をやってる人?」

私「あ、絵を勉強しています・・」

佐々木悟郎「このフリーペーパーに色のことについて書いてあるから読んでみて」

と言われ、新聞のような大きなフリーペーパーをいただいた。

めっちゃ緊張したー

全面に佐々木吾郎さん(←急にさんづけ)の絵が描かれていて圧巻のフリーペーパー。

「色のはなし」
(最後の部分のみ抜粋)

好き、嫌いという感情は概して曖昧なものだと思う。つまり以前嫌いだったものが、ある時好きになる経験は誰しもあるだろう。何がきっかけで好みが180度変わるか知れたものでは無い。もう一度プルシャンブルーと向き合おうではないか。

この文章の前にはこのような内容でした。簡単にまとめました。

昔からブルーの中でもプルシャンブルーが好きになれなかった。あるとき浮世絵の広重を眺めていたら空や海にプルシャンブルーらしき色が実に深みのある青として効果的に使われている。苦手などとうそぶく自分が小さく見えた・・

こういう実績がものすごくある方で、先生もされている方でもなんか凝り固まってないというか、柔軟というか・・素敵だなーって思って。とても面白い記事でした。

和田誠と佐々木吾郎ともに共通するとこ、

絵がすっごく丁寧!

原画のパワーは単に技術的なことだけじゃなく、作家の思い、エネルギーが絵から滲み出てくる。思いの強い絵は特にそれが見る側にも伝わる。

描いてる時の気持ちが伝わってくるってゆうのかなー。そこが面白くて。

以前、こんな風に描いたらいい感じに見えるんじゃないかって気をてらった絵を描いた時があって・・。それってすぐ人に伝わるのね。他人から指摘された事があって、もうほんとにその場から消えたくなったし、妙に恥ずかしい。

絵って怖いのよ。

ま、でもそんな経験は全然無駄ではなかったんだけど。むしろ指摘されてよかったって思う。

和田誠の絵も佐々木悟郎の絵もそれぞれのストレートで遊び心があって、描いてる時の気持ち、いい緊張感も伝わってきて、ほんとにいいエネルギーを浴びた1日でした。

(ギャラリーハウスMAYAで1/25(土)まで)

懐かしさを感じる風景・・

いろはCarta展

あけましておめでとうございます

今年もどうぞよろしくお願いします

早速ですが宣伝で・・

1月14日(火)〜1月24日(金)までギャラリーDAZZLEにて「いろはcarta展」に参加します。

それぞれが担当のひらがなに、言葉を考えて絵を付ける展示です。

多数のイラストレーターさんが参加しているので見応えのある展示になると思います。

私は「す」と「せ」の2点担当。

興味がありましたらぜひギャラリーにお越しください。

ちなみにたくさん言葉を考えて採用しなかった句をお恥ずかしながら公開します。

展示の方は自分の描きたい絵との兼ね合いを考えて言葉を選びました。(ちなみに五七五じゃなくてもOKなのです)

●「す」

「すぎてみて ようやく気付く 恥ずかしさ」

今でもいろんな場面でこういう事よくあって・・時間を戻したい!って思う。(ぺこぱじゃないけど・・考えてもしょうがないのはわかってる)

「すごいよねー 褒め言葉と 勘違い」

この言葉って前から微妙だなーと思っていて・・考えすぎかもしれないけど。笑。ほんとにすごいって思って言ってくれてる時もあるし・・自分も他の人に深く考えないで言っちゃってるし、いずれにしてもいい方に捉えたらOK!

「すし詰めの 電車の中でも いいね待つ」

ぎゅうぎゅうなのにスマホの位置だけは意地でも確保するの何とかしてもらいたいんだけど・・という不満です。スマホをいいねとして表現しました。

●「せ」

「せいいっぱい 飛んで膝割れ 年齢(とし)思う」

書いてある通りで。

少し高い所からジャンプしただけなのに膝がすごい痛くなって泣きたくなった・・。いつまでも10代20代の若い時の感覚で動いたら致命傷になります・・悲しいけど。

「晴天に 穴ぐらこもって いいね待つ」

外は快晴なのに部屋にこもってブツブツ文句ばかり言ってる自分。ネットの世界ばかりに目を奪われて、外の気持ちいい空気、鳥の声、蝶々が飛んでくる様子・・そんなのが全く目に入らないという自分への戒めです。(ネットをいいねとして、部屋を穴ぐらとして表現しました)