アリ・アスター監督作品
アメリカ人女子大生ダニーの家族に不幸があり常に向精神薬と睡眠薬が手放せない。恋人のクリスチャンも同情から突き放す事ができず男友達と行く夏のスウェーデンの旅へ誘ってしまう。クリスチャンの友人でスウェーデン出身のペレが故郷の夏至祭への招待をしていた。そこで起こる物語。
映画に写るスウェーデンの景色はとても美しい。
それも束の間、美しいと思う余裕がだんだんなくなってくる。
不穏な空気を思わせるようななんとも言えない空気感と不快な音。
ある程度評判は知っていたから驚かないけど「くる!くるぞー」って思ってハンカチを顔の前に覆ったり、離したり。
うっかり油断して離したところで急に!!っていうのも何度か。笑
持っていた自分のハンカチの柔軟剤の匂いがあんなに気持ち悪いと感じたのは初めて。
恐怖の感じさせ方がそこ?!って思ったけど、最後まで見るとそうじゃないことに気づく。
フローレンス・ビュー
主演のアメリカ人女子大生役ダニー(フローレンス・ビュー)の不幸な出来事、そこから来る恋人クリスチャン(ジャック・レイナー)への依存。
その状況からの夏至祭の参加、そしてラストが・・・なるほど〜と。
ハッピーエンド?!
映画の中で彼女(ダニー)のあり方、変化も見どころです。
そういえば3月下旬から公開される「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」にフローレンス・ビューも出演。これもすごく楽しみです。
今村昌平作品に影響受ける
パンフレットに書いてある事がなかなか面白い。
この話はアリ・アスター監督自身の失恋経験がもとになっているらしい。
そしてこの映画のちょっとグロい部分、起こる様々な出来事は12世紀頃のヨーロッパの民間伝承などを参考にしたということ。
全くオリジナルな演出ではないらしい。
そして映画評論家、町田智浩氏によると、
なんとアリアスター監督は日本の今村昌平監督「神々の深き欲望」を参考にしたらしい。
土俗的な神話と因習と刑罰に支配された南の孤島に東京から測量技師が訪れる物語・・。
なるほど!
カップルと女子高生
映画館で、前に座っていたカップルの女性が途中で退席した。
気持ちわかる・・
しかし男性の方はというと一緒に退席もせず、気にかける様子もなく一人ポップコーンをムシャムシャ。
ムシャムシャ食べられるその神経!敬服します。
女性は戻ってこなかった・・
そして後ろの女子高生!あるシーンの時にブッ!とひとりが吹き出し、その笑いが連鎖してみんなでキャッキャッキャッ・・・
女子高生には刺激が強くてだまって観てられなかったんだろうと推測。
なぜか私まで伝染して背中を震わしてしまった。
おかげでアノ?シーンがコメディに見えてしまった・・
まぁ、変な緊張が取れてよかったかも。
ありがとうJKたち!
ふと思い出す・・
この映画を観て思い出した事がある。
以前、ある宗教に洗脳されていたタレントの飯星景子が言っていた事。
お風呂に1日1滴づつ赤い液を入れる。最初は何も変わらない。日が経つにつれだんだん赤い色に染まっていき、真っ赤になったお風呂になっていても何の違和感も感じずお風呂に入っている、と。
そんな話をふと思い出した・・。