絵画的な黒澤作品(初カラー)
1970年の黒澤明監督作品。
頭師佳孝、菅井きん、伴淳三郎、田中邦衛、村松達雄、奈良岡朋子
黒澤映画初カラーらしい。
この映画、色使いが絵画的、そして登場人物が色分けしていて面白かった。
田中邦衛の家の中も服の色も赤、もう一人、井川比佐志は黄。物乞いの父子のシーンになると濃紺ブルーといった感じで。
やっくんブルー、ふっくんイエロー、もっくんレッドみたいな。(懐かしい)
wikiには
黒澤自身の手による、画家のマルク・シャガール風の、死んだ乞食の子供が天に昇っていく絵コンテが描かれている。と。
やっぱりアート作品から着想してた。
面白い。
山本周五郎 原作
主役が誰と決まっているわけじゃなく、それぞれ登場人物みんなが主役。
原作が山本周五郎「季節のない街」だとか。
山本周五郎の小説も登場人物それぞれが主役なので(私が読んだものは)なるほど、と納得でした。
ハッピーエンドがあるわけでもなく、ものすごい悲劇があるわけでもないけど淡々と日々過ごす変な人たちの物語でしょうか・・
とてもシュールな世界観です。
懐かしい俳優
昔の映画を観る楽しみのひとつは懐かしい俳優に出会える事。
最初に書いた俳優以外に、三波伸介、園佳也子、ジェリー藤尾・・・いたいた!かすかな記憶が蘇る。
懐かしい〜
「男はつらいよ」の二代目おいちゃん役、松村達雄も出演していて、あの癒されるニコニコした優しい顔、そして優しい声のトーン、そんなイメージが強いけど、この映画の役は卑劣でどうしようもないヒモ男役でちょっと戸惑いました。
あのおいちゃんが・・・衝撃です。
黒澤映画って全作見てるわけじゃないけどとても力強く、演出も大胆で面白い。
世界にうけるわけだ。
アマゾンプライムビデオにも入ったことだし、昔の邦画をもっと観てみよ。
最近昔の邦画がとても新鮮に感じます。
家ごもりがちょっと楽しくなりそう。
堂々とヒマを過ごせるってなかなかいいかも。